鬼が雨雲に乗る日

2/3
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
例えば鼠、ゴキブリのように、人間が繁殖出来たとしたら――血雨豪雨の一夜を実現可能なんじゃねぇか、って。 靴磨きの遣り甲斐も無ければ、傘を必要としない毎日。そんなの退屈通り越して、眠たいだけだろ? 雨が恵みだって言うんなら、血雨だって一緒だよ。 鏖殺と、駆除。殺戮と、遊戯。殺人と、児戯。 少なくとも、俺にとっては同義だ。 人殺しに理由なんて要らねぇだろうさ。 様式美、大義名分を掲げたって、所詮殺人は非道。 端から正当な理由が存在しないなら、“そこに人が居たから”…それだけで、充分な理由として認められる世を作っちまえよ。もしそうなら、世話なんてねぇだろ。 秩序、法で情動を縛る。それでも、決して零には出来ない、ならない可能性。 それが何を意味してるかなんてのは、一目瞭然。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!