1人が本棚に入れています
本棚に追加
今は真冬。私は冬休み、母親の実家があるひなびた村に遊びに来ていた。
朝散歩にでると、遠くの方に、人影を見つけ、近くに寄ってみると、カメラを構えたかわいい女の子だったので、話しかけて見た。
B「こんにちは。何撮ってるの?」
A「・・・」
B「あ、僕はS市から来たBっていうものだけど。母親の実家に遊びに来てて」
A「・・・」
不審者と思われたかな。返事してくれないや。もう帰ろうかと、思ったとき、
A「このカメラね」
B「え?」
A「忘れ物」
A「この間来た観光客の」
そういって、彼女はちょっとだけ微笑んだ。
その時遠くの方から、僕を呼ぶ声がした。
「おーいB~朝ごはんできたよ」
いとこが、探しに来てくれていた。」
いとこの近くまでいき、ありがとうというと、
「あんなところで、誰と話してたんだ?あそこには、かかししかなかったのに。」
「え?かかし?」
振り返ってみると、確かにかかしが、ぼんやり風に吹かれながら立っていた。
棒で作られた腕に、カメラが、掛かっていた。
顔は・・・ちょっと笑ってるように見えた。
最初のコメントを投稿しよう!