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ふっと小さな笑い声を、足元に落とした深影が思い出したように顔を上げた。
『そうだ、彼女が出来たって話……レイにはまだ言わないでよね』
『はっ……?何でだよ』
『ほら、裏切り者だーとか言って暴れだしそうだし。陽ちゃんも、学校に乗り込まれでもしたら困るでしょ』
『……そりゃあ……まぁ』
深影は、誰よりもレイの心の安定を望んでいた。
もしかしたら、陽の知らない場所で、二人しか知らない何かがあったのかもしれない。
だからといって、無理に聞こうとも思わなかった。
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