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出張で福岡から帰って来たばかりだという理沙は、キャリーケースをカウンターの横に収納すると、ふぅっと色っぽい息を吐き出し席に着いた。
全身から醸し出される、仕事の出来る大人の女のフェロモン。
店内の雰囲気までもが、一瞬にして変わった。
「えっと……こちらが、私の前の職場の同僚、吉瀬理沙さんで……。こちらが店長のたか、たかつかたっ……」
「はぁ……。初めまして。鷹司陽です」
「どうも」
またダメだった……と赤面する遥を他所に、両者は軽く目を合わせると、お辞儀を交わした。
「ちょっと、遥……。こんな素敵な店長さんの元で働いていたなんて……水くさいわね。知ってたら直ぐにカフェ男子の特集ページ捩じ込んだのに」
「理沙……。今日くらい仕事の事は忘れてよ……」
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