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 それから、陽の淹れたコーヒーを口にした理沙は聞いていた通りだ、と絶賛した。 「遥はうちで働いていた時から、良いものを見抜くセンスはピカイチだったものね」 「それは言い過ぎだよ」 「まぁ、男を見る目は無かったみたいだけど」 「ちょっと、理沙っ……!」  ぎょっと目を丸くする遥の隣で、陽はゴホンと咳払いをした。 「俺……ちょっと裏行ってるから。なんかあったら呼んで」  気まずさに耐え兼ね、足早にその場を立ち去った陽を横目に、理沙は口元を押さえた。 「え……私、なにか失言しちゃった?」 「ううん、大丈夫……」
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