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月を映したターコイズブルーの水面、彼の金色の髪をなびかせる優しい風、潮の香り。細いシルエットの深影が大丈夫だよ、そう言って微笑んだ。
この世のものとは思えないその美しさに、目を奪われたあの日。
深影も自分を見ていた。
何に例えようとも見劣りしてしまう感情に、遥の胸は熱くなった。
「遥は信じてくれないだろうけど、雷が落ちたんだ。僕の中に……。普通に生きていて、そんな衝撃を受ける事はまずないでしょ?だから、思ったんだ。遥といたら……僕は変われるんじゃないかって。そして、それは現実になった。遥が隣にいる時だけはどうしようもなく心が安らいだ。気持ちに余裕が出来たら、毎日が楽しくなった。それって……凄い事じゃない?」
「……ありがとう。そんな風に言ってくれて……嬉しい」
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