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「お湯の温度が熱すぎるし、蒸らしも足りない。せっかくの香りも味も死んでる。こんな不味いコーヒーは初めて飲んだよ」
「もう……いいです」
「さっき言った通り、別に纏める程荷物も無いだろうが、準備はしておけよ……。最初から流されてここにやって来た位だ……そもそも期待なんかしてない。何処へでも、好きな所へっ……」
「もう、いいです!やめて下さい!」
目を真っ赤にした遥の叫び声が、店内に響きわたった。
と同時に、強張っていた陽の顔から力が抜ける。
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