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「……こんな事をする陽さんは、見たくありませんでした……」 そう言い残すと、遥は二階へ一気に掛け上がって行った。 しばらくして、バックを抱えて戻って来た遥に、ハッとなる陽は息を吸い込んだ。 悔しそうに、陽を睨む遥の目には、涙が浮かんでいる。 「っ……」 陽は伸ばしかけた手を引っ込めると、拳を握った。 遠くなる足音、慌ただしく鳴る鈴の音に耳を塞ぎ、胸の痛みが消えるのを待った。
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