2090人が本棚に入れています
本棚に追加
かつて、二人が交際をしていた高校時代。当時の紗椰の心には、陽と別にもう一人、どうしても気に掛けてしまう異性の幼なじみが存在していた。
学習態度も不真面目で、真夜中に何度も補導される様な、いつまでもガキ大将きどりな乱暴者。
幼い頃は虫も殺せないような優しい人だったのに、と更正を求める紗椰がある日知らされたのは、彼が荒れたきっかけは、陽と自分の交際にあったという事。ずっと好きだったと、幼なじみの男は紗椰に気持ちを伝えた。
「大会の決勝を目前に大怪我で離脱。陽は……自分が一番辛い時だっていうのに、私にわざと振らせるように、冷たい態度を取っていたよね」
「……そんなの、そっちの勝手な想像だろ」
最初のコメントを投稿しよう!