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かつて、二人が交際をしていた高校時代。当時の紗椰の心には、陽と別にもう一人、どうしても気に掛けてしまう異性の幼なじみが存在していた。  学習態度も不真面目で、真夜中に何度も補導される様な、いつまでもガキ大将きどりな乱暴者。  幼い頃は虫も殺せないような優しい人だったのに、と更正を求める紗椰がある日知らされたのは、彼が荒れたきっかけは、陽と自分の交際にあったという事。ずっと好きだったと、幼なじみの男は紗椰に気持ちを伝えた。 「大会の決勝を目前に大怪我で離脱。陽は……自分が一番辛い時だっていうのに、私にわざと振らせるように、冷たい態度を取っていたよね」 「……そんなの、そっちの勝手な想像だろ」
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