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「漫画やドラマで、どう考えても主人公より魅力的だろって二番手が、いつも損な役割ばかりを追う理由が今よくわかった」
「はぁ?」
「自分の幸せより、相手の幸せを優先しようとする。はっきり言って陽は優し過ぎる……。それが、長所で短所。前に陽は変わったって言ったけれど、前言撤回。なんっ……にも変わってない!」
感情剥き出しに、大声を上げた紗椰を、陽はしばらくの間黙って見詰めていた。
「っ……!」
ハッとした様子で、いそいそとメガネを直す、彼女の律儀な仕草を見た瞬間、陽の口元に飾らない自然な笑みが浮かんだ。
「はっ……。お前も全然あの頃と変わってない。お節介だけど……いい女だよ」
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