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 顔色を変えて、きょろきょろと時計を探す遥に、レイは首を傾げた。 「もう1つ……?」 「今日、二時半の飛行機で深影は日本を経ちます。それはもう大変な仕事らしく……しばらく帰っては来られないだろうと話してました」 「……深、影が……?」 「このままレイナさんとケンカしたままだなんて、彼もきっと苦しいはずです……。行って……あげてください」 「そんなっ……だって、そんなの無理よ……。これから通し稽古があるんだもの……」  遥は、ハァハァと不規則な息を繰り返し、取り乱すレイの肩を優しく撫でながら、入り口横に並ぶ衣装ラックに怪しい視線を向けた。  巫女服とその横にある狐の面を見詰め、そっと呟く。 「私に……任せて下さい」
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