あっち ~三つめ~

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ホームに到着した。新幹線の中では、慌ただしく清掃が行われていた。 「バカじゃないの」 「えっ?」 「逆だよ」 「‥‥逆って」 「‥‥一緒にいると、言っちゃいそうで、辛くて辛くて‥‥だから、逃げたの」 「‥‥何を、言っちゃいそうだったの?」 「‥‥だから、その‥‥」 「わたしも!」 「‥‥えっ?」 「好きだよ」 「だから、その、女同士の親友として好きとかではなくて‥‥」 「バカじゃないの。わかってるわよ。わたし‥‥青木のことだって、なんていうか、女子としてそういう言葉が必要なのかなって思っただけで、別になんとも思ってなかったし」 「わたしだって、シュウなんて‥‥」 「言っておくけど、わたしだってずっと、今の今まで我慢して死ぬほど辛かったんだからね‥‥男とか女とか‥‥他の人間なんてどうでもいいの」 乗車を促すアナウンスが響いた。
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