さよなら珈琲

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◎どこかの建物の中のレストスペース。大きな部屋の中央にはベンチが円形に並べられ、吹き抜けの天井を見上げると、ずっと高い所に天窓がある。 〇自動販売機を挟んで、ワタルとアスミが立っている。少し離れた所で老人が、太極拳っぽい動きを続けている。 ワタル:で・・・ アスミ:ごめん、ワタル ワタル:さっきの電話は何? アスミ:・・・コーヒーを買おうと思ったんだけど、お金、持ってなくって ワタル:で、俺に電話をかけてきた アスミ:うん ワタル:うんって・・・なあ、アスミ、いまどんな状況か分かってんのか? アスミ:一応・・・ ワタル:もうすぐ船が出るってのに・・・お前が乗ってないから大騒ぎになってるんだぞ。 アスミ:ごめんなさい・・・ ワタル:なのになんだ、あの電話は「もしもし私~、まずい事になちゃって~今すぐお金持って来て~」って アスミ:ごめんなさい、どうしてもコーヒー、買いたくて・・・
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