あとほんの少しの勇気

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やっとのことで部活の朝練が終わった。 朝からこんなに疲れちゃって大丈夫か俺。 教室へと急ぐ。 うん、さすがにまだ登校してるのは数人。 それぞれ自分の世界に没頭している連中だ。 騒がしい奴はいないのでホッとする。 「おはよう!なあ坂下!昨日のすってんてん大喜利見た?」 いやいや違う、こんなことを言いたいのではない。 坂下は、分厚い何かの解説書から顔も上げずに答えた。 「おはよう。私はそんなに暇じゃないのだよ三橋くん。昨日はイマイチだったけど、スワンボートで世界一周のコーナーは面白かったな」 「しっかり見てんじゃん」 つっこんでる場合じゃない。 「坂下、今日の秋祭り、いっひょにいっれくんない?」 嗚呼痛恨の噛み噛み。 「三橋ぃ、朝から酔ってんじゃねぇぞ」 見逃してくれよぅ坂下。 俺はとぼとぼと席に戻りかけた。 「いーよー」 満面の笑顔の坂下がそこにいた。 【完】
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