ママチャリ月へ到達

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ある日、スーパーの駐輪場に愛車を停めた。 僕はうっかり者なので、鍵をかけ忘れていた。 買い物から戻ってきた時には、どうしようもなく古びたママチャリに変わっていた。 いわゆる盗難なのだろうが、ママチャリの持ち主はちょっとした交換だと思ったのかもしれない。 やっぱり鍵がかかっていなかったのは、良心が咎めたからだろうか。 まさか。 まあ、素敵なカゴと可愛らしさ爆発のピンク! そう思えなくもないままに今に至る。 買い換える金はないので、僕は毎日ピンクのママチャリに跨がっている。 僕の運はハッキリ言って悪いので、これはまだ良い方なのだ。
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