ママチャリ月へ到達

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女性は、男が持っていたバッグを取り返して警察を呼んだ。 ひったくりに遭ったのだという。 こうして見ると、女性は嘘のように小柄だった。 「ごめんなさいね。あなたの自転車、カゴがへこんじゃった。修理代は出します。ここへ連絡下さい」 渡されたメモには、月川麗子とあった。 ありえないことばかりが起こる。 僕はきっと、この時月の世界の住人と出逢ってしまったのだ。 いつまでもその人から目が離せなかった。 【完】
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