金木犀

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「凄い!恰好いい!」 決まりごとに変に厳しい女の台詞とは思えない。 「女を食い物にして数え切れない人を騙してきた悪党がさ、心を入れ替えるってドラマじゃない?」 間違いではないが、何だか扱いが酷くなっている。 「ああ、悪党は太陽に当たると溶けるんだよ。このままこうしていたら、すっかり心が洗われてしまうからな」 男は、さっさと歩き出そうとする。 「そっち反対だよ」 「はい」 男は、女についてとぼとぼと家路についた。 【完】
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