逢う

秋雨

「くちびるまで青くなってる。早く帰れと言いたいけどな。こんなどしゃ降りじゃまたぬれる。薬だと思って体あたためていきな」

「ジュースの方がすき」

「……これだからガキはきらいだ。今うちにはしじみのみそ汁とトマトジュースしかねぇ。まんじゅうに合わない飲み物の一位と二位だ。おとなしく茶にしとけ」

ジュースを飲みたかったわけじゃない。

このおじさんに、何となくさからってみたくなっただけ。

わたしがお茶を飲みおわったときには、雨はやんでいた。