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「じゃあ俺会計してくるけど、」
「本当にそれでいいの?」
「へ?」
「本当の本当に、俺が選んだ靴でいいの?」
すごい真剣な眼差しで聞いてくるもんだからちょっとビクッとしてしまったが、俺は迷い無く頷いた。
「何言ってんだよ、いいに決まってんだろ。癪だけどお前が選んだんなら間違いないだろうし」
何故だか色合いとかも俺の好みドンピシャだし。
「あーもおぉ…」
そうして顔を隠して天を仰ぎ見るオーバーリアクションをする変人を置いて、俺はレジへと向かった。もうあれは奴の発作みたいなものだと思うことにする。
これは推測だが、多分物凄く嬉しかったり恥ずかしかったりした時になるんじゃないかな、あれ。
何がそんなに…ってもう何回目だこの台詞。
何故藤倉は、こうも俺に懐いてくれているんだろう。何故こうも俺の行動や言動ひとつひとつに一喜一憂するんだろう。
俺は彼に、何かしただろうか。
「与えてもらってばっかりだ」という彼の言葉を思い出した。
…そんなの、俺の台詞なのになぁ。
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