3.澤くんとはじめての

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「買い替えるの?靴」 「うん。まぁしょうがねーしな」 「そっか。結構お気に入りだったんでしょ、それ」 「そうだけど…何で分かったの?」 「だってその靴ちゅうが、あー…結構長いこと履いてたもんね」 「…おう?」 今ちょっと噛んだ?あの藤倉が?…まぁいっか。 確かに今履いている運動靴は俺のお気に入りで中学校の時からお世話になっているものだが、本当に人のこと良く見てるんだなぁこいつ。 あ、そうだ。 「お前今週末暇?」 「…へ?」 「もし空いてるなら付き合ってくんない?靴買うの」 「………」 「あ、駄目だったら全然いいんだけど、」 「駄目じゃない駄目じゃない!ってか、本当にいいの?」 「え、何が?」 「それって初でー、…いや、何でもない」 「予定あるなら別に無理しないでも」 「行く」 「え」 「這ってでも行く」 「お、おう…?」 何もそこまで…。大袈裟な奴だな。 だけどさっきまでちょっと元気が無くなっていた藤倉が途端にいつも通り、いやそれ以上に上機嫌になったから、まぁいいか。
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