キラワレモノ

22/25
前へ
/25ページ
次へ
それから数日後、佐藤課長が大阪に出向することが決まった。 うちの工場は大阪にもあり、最近は仕事が薄くなってきていたのでそちらに出向する社員も多くいた。 ただ、このチップマシンに至っては三交替で稼働しており、工場の中で最も忙しい部署だと言われている。 何より佐藤課長は他の部署から異動してきたばかりで、とても佐藤課長から出向したいと言ったとは思えなかった。 あの出来事を鑑みると、小橋課長が裏から手を回したとしか思えなかった。 佐藤課長と小橋課長は同じ役職だが、小橋課長の方が年上で仕事上顔も広い。 正直、大声を張り上げて人に命令してばかりで自分は全く動かない佐藤課長はいられても迷惑なだけだった。 だから前の部署から異動になったんだろう。 いなくなって皆清々していた。 自分は少し気になって彼女の後をつけた。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加