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「って言うか、初恋なのか?」
「いかにも、この年まで女を知らん!」
貫斎は思った。こういう場合には、深追いせずに話題を変えようと──。
「で、彼女らはシスターにでもなったのか?」
「あぁ。正しくは、さらわれたあとで、軟禁中にシスターにされたのじゃろうがな」
「しかし、どうしたら出家するほど、あんなバッタモンに心酔するってんだ?」
自分で投げ掛た疑問に、貫斎は答えも自分で出した。
「──洗脳か?」
「あぁ」
「どうやって?」
「まぁ見ろ」
再び二人は、視線を眼下の大聖堂の床に下ろした。
調度そこでは、灯されたロウソクの火を挟んで、祥仙神父が優奈の前に立った所だった。
無論、彼らは壁画の中の貫斎と英斎の存在には気付いていない。
「シスター優奈、私を見なさい」
薄く開いた青い眼が、ロウソクの炎を映してキラと光ったかと思うと、低く怪しい声で祥仙神父は言った。
「五感夢中の術」
その途端である。優奈の眼がトロンとなって、自らタンクトップと、そしてホットパンツを脱ぎ捨て、眩しいばかりの下着姿となったのは──。
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