手紙

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「で、頼みってのはなんだ?」 「話が早くて助かる」  スーパは、リッチの遺伝子を確実に受け継いだ美しい黒髪を持った大男だ。腕には剣技でこしらえた生傷がたくさんある。  ミーケルは彼にどうしても頼みたいことがあった。 「サルタエルを貸して欲しいんだ」 「なに? サルを? でも、貸すと言ってもあいつは俺の言うことしか聞かないよ」 「だからお前も来て欲しい。カイを助けたいんだ」 「なるほど。いいだろう。でもどうやって?」  サルタエルはスーパが飼っている鷹だ。とても頭のいい鷹で、スーパに良く懐いている。子供のころはよく一緒に遊んだものだ。もしかするとミーケル達よりずっと頭が賢いかもしれない。  ミーケルはサルタエルに、ひとまずカイが生きているかの確認を頼みたいと考えていた。サルタエルに手紙を運んでもらうのだ。 「そうか。サルならその壁とやらも越えられるかもしれないな。よし、さっそく行こう」  食事もそこそこにスーパは立ち上がる。あまりにも勢いよく立ち上がったせいで、テーブルに置いてあった小さな花びんが倒れピンクの花が零れ落ちた。 「頼んでおいてなんだけど……いいのか? スーパ。壁には近づくなと言われているのは知ってるよな?」     
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