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「あなたが契約をしなければ、彼女らは無意味に命を落とされることはなかった」
それだけ言い残すとアールクヴィストは牢の扉を閉め鍵をかける。
「待って!」
駆け寄ったルシアをまるで汚い物を見るかのような目つきで、小さな窓から見下ろしたあと彼は言い放つ。
「悪魔め」
そうして彼は逃げるようにそこを去る。
響く足音がだんだんと遠くに消えていくと、残されたルシアに留まるものは、深く重い絶望だけだった。
なぜ、どうして。何も知らされぬままこれから百年、彼女は死ぬことも許されずここで闇の抱擁を受け続ける。
かくして后の目論見通り、ルシアの腹違いの弟に王位は継承された。
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