ぬくもり

5/5
前へ
/151ページ
次へ
 ルシアは少し困ったような顔でカイを見上げていた。大きな瞳に、長い睫毛の影が覆い被さっている。  どうしてこんなに綺麗なんだろう?  いつまででも眺めていられそうなほど、カイにはルシアが美しく見えた。それでも彼女の瞳は彼の答えを早く知りたいと待っている。 「なんでって……? 俺、全然負担だなんて思ってないよ。食事だって二人で食べた方がおいしいし。付き合ってよ、俺のためにさ。最高に楽しいんだ、一人じゃないってのが」  カイは照れ臭そうに笑った。
/151ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加