奇妙な客・上
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ヴィダルはすぐに立ち上がるとハンカチで包むようにスプーンを拾い上げた。 カイはヴィダルの赤く腫れ上がった指を見て驚く。 「お前……」 ヴィダルの顔は一瞬で青くなった。 「金属アレルギーなのか?」 カイのその言葉を聞いて少し表情を和らげると、消えそうな声で答える。 「……そうみたいだ」
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