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カイはまた横になって目を閉じた。
「……わかんないよ」
隣で衣擦れの音がした。おそらくヴィダルが頷いた音。
「彼女はあのような所に居ても身についた気品は隠せていない、随分悲しい思いをした事だろう」
「……何も聞かないんだな」
ヴィダルはルシアが檻に閉じ込められている理由も、そこから出られない理由も、何も聞かなかった。
「明日、君に話さなければいけないことがある」
少しの間を置いて、ヴィダルは小さな声でそう言った。
「今話せばいいだろ」
「……眠いんだ」
ヴィダルのその言葉を最後に、二人は眠りに落ちた。
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