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咄嗟に手を地面に下ろす。かなり温かな、ゴツゴツとした感触だ。
本当に落ちたのか? それにまだ風の勢いを感じる。
カイは目を開けた。
――しっかり捕まっていろ――
どこからともなくヴィダルの声が聞こえる。聞こえると言っても耳にではなく、頭の中に響いてくるような感じだ。
自分が置いたはずの手の下は、地面などではなく、真っ黒な突起がたくさんある分厚い皮のような物。
顔を上げ、前を見る。
カイは今、空中を飛んでいた。
真っ黒なドラゴンの背に乗って。
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