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 マチルダとミーケルとは昔からの友人だった。 「あいつ、もう一週間もここに来てないの。何かあったのかしら。ちゃんと食べているかしら」 「カイは今年で16だよ。赤ん坊じゃないんだから、あいつだって一人でもうまくやるさ」  ミーケルは走り出した馬から落ちないように、マチルダの肩をそっと抱いた。 「そうかしら…。きっとまだ心に傷を負ってるわ」  マチルダはうつむくと、目を強く閉じた。馬のせわしない足音が、不安な気持ちを掻き立てる。何もないといいけど。そう思いながら、頭を振って目を開けた。  どんどん景色が流れていく。  ミーケルの腰にぶら下げた剣が、時折跳ねて渇いた金属音が響いた。  少し先に古城の屋根が見える。もうそろそろカイの家だ。  ところが、ミーケルは馬の速度を緩めると辺りを大きく見渡しながら変な声を出した。 「なっ、なんだこれは?」  ミーケルは馬から降りると、カンテラを前につきだす。 「なんてこった。見ろよマチルダ。いつの間にこんな壁が作られたんだ?」  マチルダも既にその壁をみていた。視界に映る限り壁がある。壁の始まりを探すも、ずっと途切れず続いているようだった。 「カイの家は!?」     
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