愛してるの基準 #2

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愛してるの基準 #2

彼女の笑顔は屈託がなくて、癒されるものだった。 「しかし、本当にご自慢のお嬢さんだ。」 「えっ?」 するとと菜摘さんは、ゆっくりと俺の方に振り向いた。 まるで父親の気持ちを知ってか知らないでか、菜摘さんの顔からは、先ほどまでの明るい笑顔は消えていた。 「父の言う事は、よくわかっているんです。早く結婚して安心させてくれって……」 菜摘さんは庭にある池を覗き込むように、橋の上に腰を降ろした。 「気にすることはありません。森川社長は、無理に結婚させようなんて、思っていないでしょうし。それに……」 菜摘さんの小さな肩が、やるせなく映る。 「あなたが好きで付き合っていたと言う事は、それだけ素敵な男性だったんでしょう?」 頭を横に振った菜摘さんは、更に下を向いてしまった。
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