10人が本棚に入れています
本棚に追加
「驚いた。美雨ちゃん、こんなところで何をしてるの?買い物?」
あまりにも自然に聞かれたから、思わず“はい”って言いそうになっちゃった。
「あの……」
「ん?」
階堂さんはずるい。
その目で見つめられると、何も言えなくなってしまう。
「もしかして、ここで働いているの?」
階堂さんに、先に答えられてしまって、私は仕方なく『はい。』と返事を返した。
「そうなんだ。いつから?」
「……2週間前からです。」
「へえ。もう仕事は慣れた?」
「はい。」
ありきたりの会話。
今はそれだけでも嬉しい。
「そうだ。知人の誕生日のプレゼント探しているんだけど、美雨ちゃん、何かいい物ないかな。」
「誕生日……プレゼントでございますか?」
あっ、今の言い方、店員として失格だわ。
私は慌てて口に手を当てた。
最初のコメントを投稿しよう!