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「いいんだ。俺みたいないい歳した大人が、雑貨屋にいるなんて可笑しいよな。」
そう言った途端に階堂さんは、周りをキョロキョロと見渡し始めた。
「いいえ……お洒落なプレゼントをお選びになられる方だと思います。」
「え?」
偶然だけど、階堂さんと目が合った。
そしてそのまま……
私と階堂さんは、時間が止まったように、二人で見つめ合ってしまった。
「ごめんなさいね。」
ハッとして後ろを見ると、他のお客様が私の横を通り過ぎた。
「申し訳ございません。」
頭を下げて、また階堂さんを見ると、もう違う方向を向いていた。
もしかして、私と目が合った事、本当は嫌だったのかしら。
少し胸がズキっとしたけれど、階堂さんは今はお客様。
余計な感情を持つ事は、いけない事だ。
「階堂さん。」
振り返った階堂さんは、少し赤い顔をしていた。
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