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初めての夜 #3
「ちょっと待ってて。」
俺は彼女をその場に置いて、ホテルのフロントに小走りで向かった。
「すみません。最上階の部屋、どこか空いてますか?」
「お待ち下さいませ。」
フロントの係りの人が、部屋を探している間、俺はフロントのカウンターを指でトントンと叩く。
「お待たせしました。最上階のお部屋ですと、スイートルームになりますが、よろしいですか?」
「ああ、いいよ。」
「かしこまりました。ただ今ご用意いたします。」
多少値段は張るかもしれないけれど、いいじゃないか。
「どうぞ。最上階、正面のお部屋になります。」
「ありがとう。」
俺はフロントの人に、軽く挨拶をして、彼女の待つ場所へと急いだ。
「美雨ちゃん。」
「階堂さん、どこへ行ってたんですか?」
「いいから、こっちこっち。」
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