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「ああ、そうだよ。君を待っていたんだ。」
「どうして!!」
あまりにも真っ直ぐな答えに、気持ちが抑えきれなくなる。
「どうして…!待ってたりしたんですか!」
急に涙を流しながら、声を張り上げる私に、階堂さんは私の腕を掴む。
「それは…君に会いたくて、会いたくてたまらないからだろう!!」
そう言って見つめてくれたその瞳は、あの日。
階堂さんに強く抱かれた日の、あの瞳と一緒だった。
「なのに君は!……携帯の番号を変えてしまうし……俺がどんなに不安な気持ちだったか、君にわかるか!?」
階堂さんはまるで子供のように、自分の気持ちを私にぶつけてきた。
大人だと思っていた階堂さんの、純粋な部分。
「わかりません。」
私の返事に顔を歪めた階堂さん。
「だって階堂さんには、婚約者がいるって……」
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