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次の日の朝、目が覚めると横に美雨が眠っていた。
スーッと寝息を立てて、俺の胸で安心しきったように、眠っている。
ああ、この寝顔を見ることができるのは、自分だけなのだと思うと、このまま時が止まればいいとさえ思う。
「ぅ…ん…」
目が覚めたのか、美雨は急に寝返りを打ち始めた。
よくみると、ソファとテーブルの間に、毛布を何枚も敷いてあった。
床に寝ても体が痛くならないように、美雨が持ってきてくれたのだろう。
「おはよう、美雨。」
虚ろな目で俺を見た俺は、毛布で顔を半分隠しながら、「おはよう。」と呟いた。
「今日は小林さん、来るの?」
「ううん…来ない。今日、日曜日だから。」
小林さんというのは、夏目家のお手伝いさんのことで、ほぼ毎日この家に通って来てくれると言っていたのだが……
「日曜日は来なくなったの?」
俺の質問に、美雨はクスクス笑い出す。
「だって兄さんも私も、もう大人よ?日曜日くらい自分でご飯を作るわよ。」
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