7人が本棚に入れています
本棚に追加
そう言って、俺の体にまとわりつきながら、また可愛い笑い声をあげた。
何も着ていない肌同士が、身体をくっ付き合うのは、ほんのり温かみを帯びて、心地がいいものだ。
俺の腕の中でじゃれついている美雨が、猫っぽく見える。
そっと美雨を抱き寄せて、耳元で囁いた。
「今、抱いてもいい?」
「えっ?朝から?」
目を丸くしてこっちを見ている美雨が可笑しくて、フッと笑った後に、また美雨の身体を愛おしそうに、撫でまわした。
滑らかで柔らかい肌。
聞こえてくる美雨の甘い吐息。
夜の暗闇では感じることができないものが、朝は視界から見ることができる。
そして一つの疑問が、生まれた。
美雨は、30も半ばを過ぎた俺の事を、どう思っているんだろう。
同じ大学には、もちろん美雨と同じ年代の男達がいるわけだから、肌艶や体つきだって、俺のものとは違うだろうに。
「敦弥さん?」
「あまり俺の体、見ないでくれる?」
最初のコメントを投稿しよう!