心と体 #2

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美雨の兄である太我が、家に帰ってきたのは、昼もすっかり過ぎていた頃だった。 「は?階堂?」 「よっ!太我!!」 「何が急に太我だよ。って言うかなんで階堂が、日曜日に俺の家にいるんだよ。」 出張に行っていたという太我は、大きな旅行カバンを肩に乗せ、リビングの入り口でボーっと立っていた。 「あら、兄さん。お帰りなさい。」 美雨がエプロン姿で、遅い昼食を用意してくれていた。 「なんだ、美雨。わざわざ階堂の為に、昼飯用意したのか?」 「兄さんのもあるわよ。」 そう言って美雨は、太我の席にも今作ったばかりのオムライスを置いた。 「やけに用意がいいな。」 「だって兄さん、出張に行った次の日はいつも、この時間に帰ってくるでしょ?」 「そうだけどさ…」 大我は腑に落ちないような表情で、カバンをソファにドサッと置いた。 ピシッとアイロンのきいたシャツの袖をまくって、自分の席にある椅子に、勢いよく座った。
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