心と体 #2

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「太我。」 「ん?」 「出張から帰ってきた割には、いいシャツを着ているな。」 「そうかな。」 少し疲れているせいなのか、それとも自分の自宅という事が、余計な力を抜かせているのか、彼は俺の知っている以上に、リラックスしている様子だった。 「兄さんにはね。甲斐甲斐しく世話をしてくれる人がいるのよ。」 「へえ。」 美雨が嬉しそうに、俺に報告する。 「へえって、階堂にもいるじゃないか。世話してくれる人が。」 「まあ…な。」 否定もしなかった俺に、疲れていた太我が急に身体を起こした。 「やっぱり噂は本当だったのか。」 「噂?」 太我はようやく、美雨の作ったオムライスを、頬張りだした。 「ああ、階堂と森川社長のお嬢様が、結婚するんじゃないかっていう噂。」 その途端、キッチンからガシャンッという音が聞こえた。 「おい!大丈夫か?美雨。」 大我に声を掛けられた美雨からは、返事がない。
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