7人が本棚に入れています
本棚に追加
「美雨?美雨!?」
噂に夢中の太我をそっちのけで、俺はキッチンにいる美雨の元へ向かった。
しゃがんで、割れた皿を拾う美雨が、そこにはいた。
俺は美雨の横に、同じようにしゃがんで、割れた皿の欠片を拾った。
「大丈夫か?」
「うん……」
その声があまりにも弱々しくて、俺は一気に皿の欠片を、片づけた。
無理もない。
二人で激しく愛し合ったのは、つい数時間前だ。
「階堂?」
ふいに太我の声が、低くなるのを感じた。
「おまえ、もしかして……」
急に太我の目が鋭くなる。
「美雨に、手を出したのか?」
立ち上がって、キッチンのカウンターの横に立った。
「太我。報告が遅くなってすまない。付き合っているんだ、美雨ちゃんと。」
その瞬間、俺の頬に痛みが走って、俺の体はキッチンの中にいた、美雨のいる場所まで飛ばされた。
「敦弥さん!!」
美雨は俺の前に座って、太我がそれ以上、俺に近づけないようにした。
最初のコメントを投稿しよう!