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早く夏目に会って、あの男の正体をはっきりさせたい。
それよりも、美雨に早く会って、あの男に何かされなかったか、確認したい。
その思いは、夜。
森川社長を迎えての会合の時でさえ、消えなかった。
大きな楕円のテーブルを囲んでの会合。
いや、何かを決める為の集まりではなく、あくまで当社の売上が前年対比が予想をはるかに超えた事を報告する場だった。
「みんな一人一人の力を、合せた結果だと思う。本当によく働いてくれた。心から感謝の意を表したい。」
俺の言葉に、一同嬉しそうに拍手をしている。
だが一人だけ。
俺の隣に座っている専務だけが、笑顔の裏の顔を持っていた。
『社長。森川さんのお力添えの件も、お話下さい。』
俺は一言「ああ。」と返事をすると、拍手が鳴り止むを待った。
作戦だった。
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