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「意外でした。菜摘さんは日本酒の飲めるんですね。」
すると菜摘さんは、真っ赤な顔をして、恥ずかしそうに俯いた。
「たまたま飲みやすいお酒だったからです。そうでなければ、普段日本酒は、飲めなくて。」
完璧な答え。
と、言いたいが今日のところは、素直に彼女の言葉を受け入れよう。
「益々気に入ったな。」
「えっ?」
「君の事だよ、階堂君。」
森川社長は、今まで見た中で、一番温かな表情をしていたと思う。
「君を見込んだ俺に、間違いはなかった。」
「勿体ないお言葉です。」
人にそこまで誉められた事などない。
「階堂君。そこで君にお願いがあるんだ。」
「はい?」
改まったお願いなんて、あまりしない人が。
「そろそろ、うちの菜摘をもらってくれないか?」
「えっ?」
これには、俺も菜摘さんも面くらった。
「ちょっと、お父さん。」
菜摘さんが森川社長の腕を掴む。
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