心と体 #2

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「意外でした。菜摘さんは日本酒の飲めるんですね。」 すると菜摘さんは、真っ赤な顔をして、恥ずかしそうに俯いた。 「たまたま飲みやすいお酒だったからです。そうでなければ、普段日本酒は、飲めなくて。」 完璧な答え。 と、言いたいが今日のところは、素直に彼女の言葉を受け入れよう。 「益々気に入ったな。」 「えっ?」 「君の事だよ、階堂君。」 森川社長は、今まで見た中で、一番温かな表情をしていたと思う。 「君を見込んだ俺に、間違いはなかった。」 「勿体ないお言葉です。」 人にそこまで誉められた事などない。 「階堂君。そこで君にお願いがあるんだ。」 「はい?」 改まったお願いなんて、あまりしない人が。 「そろそろ、うちの菜摘をもらってくれないか?」 「えっ?」 これには、俺も菜摘さんも面くらった。 「ちょっと、お父さん。」 菜摘さんが森川社長の腕を掴む。
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