優しい雨

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そんな時、兄さんが私の部屋を訪れてくれて、しばらくの間、泣いている私を慰めてくれた。 そのまま安心しきったのか、私と兄さんはベッドの中で、寝入ってしまって。 朝になって、兄さんはお父さんにこっぴどく叱られていたのを思い出す。 その時はどうして怒られていたのか、わからなかった。 でも、今ならなんとなくわかる。 高校生の兄と、小学校高学年の妹。 本人同士は何もないのに、大人は間違いがないように、目を見張る年齢だった。 「あのさ。階堂の事なんだけど……」 わざわざ慣れない妹の部屋に来てまで話そうとしていたのは、敦弥さんの話? 「最近、仕事で大変そうなんだ。」 どうしたんだろう、私。 なんだか、心がイラつく。 私にはそんなこと、一言も言っていなかったのに、どうして兄さんは、敦弥さんのそんな事を知っているの? 「美雨。階堂は、連絡を取りたくても、取れないんだ。」 「どうして?」
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