優しい雨

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どうして?って聞いたのに、兄さんは黙っている。 「ねえ、兄さん。敦弥さんの事、何か知っているのなら、教えて!!」 私は兄さんの傍に、すがる様に坐った。 「お願い……」 私、まだ恋愛経験なんて少ないけれど、あんなに一人の男の人に求められたのって、初めて。 だから、受け入れられない。 全く連絡の一つもない、この現状を。 「美雨……」 「敦弥さんは、私の事、嫌いになっちゃったの?」 「それはない!!」 兄さんは、私の肩を掴んで、力強く否定してくれた。 「階堂は、美雨の事を本当に大事に思っているんだ。それだけは信じてやってくれ。」 男同志の友情なの? でも、私にはわからない。 だって、どうして兄さんの方が、敦弥さん事を知っているの? 私の方が、誰よりも敦弥さんの傍にいるって、思っていたのは嘘だったの? 「美雨…階堂は…階堂は…」 そう言った兄さんは、なぜか辛そうな表情をしていた。
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