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「それよりも、三科の事。早く教えてくれ。」
「あと、森川社長の事もだろ?」
二人でグラスを、テーブルに置いた。
「階堂……どこまで、話をしたかな。」
「三科に、大学時代に付き合っている女性がいたってところまでだ。」
今度は俺が、太我のグラスにワインを注いだ。
「三科は、その彼女の父親が社長だとは知らなかった。純粋に彼女を好きだったんだ。彼女もそうだった。三科の、誰にも慕われている部分を、彼女は誰よりも尊敬していた。」
思い浮かぶのは、幸せそうな一組のカップル。
「その関係は、三科が彼女の会社に就職しても、変わらなかった。」
「三科は、彼女の父親の会社だと知っていたのか?」
いわゆる、コネっていう手だ。
「いや、知らなかった。結婚を二人で決めて、彼女の父親に挨拶しに行った時に、実は自分の会社の社長だったと知ったらしい。」
そこで、俺には一つの疑問点が、生まれた。
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