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「太我は、三科と大学を卒業してからも、交流があったのか?」
「ああ。何かあると、必ずあいつと一緒になった。しかも大学時代の知り合いだから、酒が入るといろいろお互いの事を話しあったものだ。」
俺と太我が知り合う前。
大学時代の同級生なのだから、話に華が咲くのは、当たり前だと思うし、そのまま今でも交流があってもおかしくはないと言うのに、なぜだろう。
俺の中にある違和感を隠せなかった。
「今は?三科と交流はないのか?」
俺の質問に、太我のグラスを持つ手が、強くなる。
「あいつは、美雨にとんでもない事をいいやがった。」
「美雨に?」
「ああ。親父が死んで俺が会社を継いで、数年間。昔からの従業員は去っていき、俺も初めての仕事で、大きな責任を負わされて、経営もうまくいかなかった。」
その時代は、俺だって知っている。
でもそれを周囲に悟られないように、太我は誰よりも努力していた。
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