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「美雨さん…わかって……階堂さんを救う為には、この方法しかないのよ……」
でもその菜摘さんの言葉が、私を一気に現実に引き戻す。
「敦弥さんに会わせて下さい。」
菜摘さんが、私から身体を離すと、私たちはお互いの顔を見た。
「直接、敦弥さんから話を聞きたいんです。」
数秒後、菜摘さんは立ち上がると、エレベーターの最上階のボタンを押した。
スーッと、敦弥さんがいる最上階まで、エレベーターは昇り始める。
3階、4階とどんどん昇っていくエレベーターの中で、私の胸の中は不安と恐怖でいっぱいだった。
どうしよう。
菜摘さんの言っていることは、本当は正しくて。
敦弥さんから、きっぱり別れの言葉を言われてしまったら。
そんな事を思うと、私の胸は押し潰されそうになっていた。
やがて、チンッという音がして、エレベーターの扉が開いた。
「着いたわよ、美雨さん。」
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