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数年ぶりの友人に宛てた言葉のように聞こえたけれど、今の私には腹立だしくて、仕方がない。
「強くなったの。自分の大事な物を、守れるように。」
「はいはい。強くね。」
人をバカにしたように、手を空中でヒラヒラと動かしている。
「あんたの強がりがどこまで通用するか、わからないけどね。」
そして急に、またあの冷酷な表情に戻った。
「実際、二人の命がかかっているんだ。あんたが言う愛とか恋だとか、そんなモノじゃどうにもできない状況がね。」
でもなぜか、その瞳に少しだけ悲しさが残っているような気がした。
「……どうしてあなたは、その事を私に伝えようとしてくれたんですか?しかも、こんなに必死になって。」
そこで、少しだけ。
ほんの少しだけ、瞳の奥の悲しさが増したように見えたのは、私の気のせい?
「別に?面白いと思っただけ。だからあんたが断ると思ったのも、計算済み。」
でもすぐまた、冷酷な人間に戻ったけれど。
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