優しい雨 #2

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そして私は敦弥さんが、『君の事をいつまでも待っているから。』と言ってくれたあの交差点を曲がった。 曲った先に、敦弥さんの会社があった。 広場を抜けたあのビル。 あのビルの最上階に、敦弥さんのいる社長室があった。 窓には、まだ明かりがついていた。 「敦弥さん。」 私は居ても立ってもいられなくて、敦弥さんの会社の中に入って行った。 受付は既に真っ暗。 この中を進むのでさえ、怖いくらい。 私は息を飲み込むと、エレベーターに向かって歩き出した。 あれに乗れば、敦弥さんのいる場所まで、私を連れて行ってくれる。 無我夢中で、そのエレベーターの前まで歩いた。 もう少しで着く。 そんな時だった。 「誰だ!」 強い言葉と強い光。 思わず顔を手で覆った。 「どうやって入った?不法侵入だぞ!」 声に主の元を見ると、微かに見える黒い制服。 警備員だった。 「す、すみません。あの……忘れ物をして……」
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