雨あがり #2

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「じゃあ、お疲れ様です。」 「お疲れさん。」 事務の女の子と別れて、正反対の道を歩きだした。 いつもの帰り道。 だが、この日はなんだかいつもとは違う雰囲気を感じていた。 いつも見えている小さな星明かりが、今日は見えない。 「曇ってるのか。」 自分の心を映し出しているような気がして、足を止めた。 あの後、俺の会社は倒産。 なんとか、自分でまた店をやれないか、知人を駆けずり回ったけれど、皆、森川社長を恐れてか、協力は貰えなかった。 なんとか再就職口を見つけたが、生活は一変してしまった。 でも最近は、サラリーマン生活も、慣れれば気が楽になってきた。 少しだけ前向きな気持ちをになって、また止めていた歩みを動かし始めた時だ。 ポツッと、冷たい物が俺の頬に当たった。 辺りを見ると、道路が濡れている。 「なんだよ。本当に降ってきた。」 人の言う事は、聞くものだなと思いながら、足早に帰り道を急いだ。
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