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そう言われて振り返った女性を見て、身体が止まった。
「……えっ?」
相手の女性も、目を大きくした。
「……敦弥さん?」
「美雨?」
久しぶりに二人見つめ合って、どちらからともなく微笑んだ。
「久しぶりだね。元気にしていた?」
「ええ。私は元気よ。敦弥さんも元気そうで、何よりだわ。」
ありきたりな挨拶をしたけれど、3年振りに見る彼女は、以前よりも大人びた印象を与えた。
「お仕事の帰り?」
「ああ……美雨は?そう言えば、大学は卒業した?」
美雨はクシャっと笑いながら、伸ばした前髪を掻き上げた。
「うん。もう大学は卒業して、社会人よ。」
釣られて、俺も顔がクシャクシャになるまでの笑顔になった。
「そうか。美雨も社会人なんだ。何の仕事してるの?」
「インテリアの買付け。」
「すごいじゃないか!夢を叶えた上に、買付までするなんて。」
会社の部下を誉めるように、彼女の背中を軽く叩いた。
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